伝記にハマル小学生クラス

伝記にハマル小学生クラス
 当塾の小学生クラスでは、毎回5分から10分の読書の時間があります。この時、ほとんどの子ども達に好きな伝記を読んでもらっているのですが、本嫌いな子が、しばらくするとすごく好きになってきます。そして、とてもおもしろい傾向があることに最近気がつきました。
 それは、普段のその子からはあまり想像がつきにくい「偉人」が好きになるのです。A君は「野口英世」でした。何度も何度も繰り返し読みたがり、家でもお母さんに買ってほしいと言われます。
 Bさんは「リンカーン」でした。奴隷解放運動をするリンカーンにとても強く響くのです。家に帰ってからもその話をお母さんに詳しくされると言います。Cさんは「マザーテレサ」でした。毎回、ものすごく感動してやまないのです。E君は「宮沢賢治」でした。賢治のまっすぐな生き方にどうしても憧れてしまうようで、徐々に宮沢賢治のように勉強をしようと思い、ひたむきなE君が現れました。Fさんは「ジャンヌ・ダルク」でした。フランスを守ろうという壮絶な生き方に憧れます。G君は「ジョン万次郎」、H君は「アインシュタイン」「ニュートン」など科学者の生き方に憧れてなりません。
 こうした伝記を読む中で、子どもたちは世界を視野に入れ始め、自分の人生を考え、試練や困難が来たときにどう乗り越えればよいのかと、先人の生き方から学んでいきます。それは、決して私達が教えられるものではなく、子ども達一人ひとりが発掘しているようなものです。しかし、だからこそ、個性があって、誰一人として同じ感じ方ではなく、その子にしかないものがあるのだと思えてなりません。
 学びたい意欲は誰にもあります。そして、人生について、人間について、勉強の意味について、子どもたちはみんな知りたがっています。
 私は、この伝記を読むことで、子どもたち自身の力でそうしたこともつかんでいってもらいたいと願っています。