子どもたちの可能性を開くために……
子どもたちの可能性を開くために……
私は長年、塾をしていて、中学1年生の頃に入塾して来る子どもたちに対して
いつも疑問に感じていたことがありました。
それは、同じことを聞いて、どうしてこんなに吸収力の違いがあるのかということでした。
その違いは、大きくは国語力、読解力の違いであることは感じていたのですが、
それでも、国語ができて数学の複雑な文章問題ができない生徒がいるのはなぜなのかと思っていました。
その理由をいろいろ調べていくうち、言葉をイメージすることができる能力が育っているかどうかが、
決定的であることがわかってきました。
ここから生まれた算数の文章問題を通しての授業は
子どもたちに劇的な変化を与えてゆきました。
さらに、中学生の数学の指導についても、同じ問題を使っていても、
教師の指導の仕方で、全く伸び方が変わってくることが、最近わかってきました。
もちろん、私よりも、もっと上手な教え方の先生方は山のようにおられることと思います。
しかし、子どもたちが、短時間にわくわくしながら、問題の本質をつかみ、
思考力がつくのは、教師の側、特に子どもに対する思い方に
大きな影響があると思えてならないのです。
それは、一言で言うなら、
「子どもたちには、ものすごい可能性がある」
という確信があるかどうかのように思うのです。
私は以前、「子どもたちは何もわかっていないから、教えてあげないといけない」
とずっと思っていました。
しかし、その前提がある限り、子どもたちはどうやっても、伸びていかないし、
子どもたちはどんどん、疲弊していくのです。
それを、子どもたちには、誰にも考える力があるんだと思って、
授業をすると、本当に子どもたちが自分で発見するまで「待つ」ことが
できるようになりました。
そして、適切なヒントを
適切な時期に与えられるようになってきました。
まだまだ、私も発展途上の人間ですが、
子どもたちから毎日いろいろな気づきを教えていただいています。